古民家や寺社が立ち並ぶ喜連エリアに1200年以上たたずむ「霊峰山 如願寺」。 今回は歴史情緒あふれるこのまちに生まれ、80年以上喜連を見守り続けてきた住職の山本雅昭さんに、如願寺のなりたちから、地域の方々とお寺とのかかわりなどについて伺いました。
いにしえから1200年以上続く
由緒ある寺院
まず、如願寺の歴史について
お聞かせください。
如願寺は大陸から日本に渡来した伎人(くれびと)のための氏寺として、588年に聖徳太子が「喜連寺」として創建。 230年後の817年、この霊場を訪れて寺院の衰退ぶりを嘆いた弘法大師・空海が再建し、この時に「如願寺」と名を改めたと言い伝えられています。 その後、戦乱や震災によって焼失しましたが、1716年に現在の本堂が再建されました。 本堂の屋根の左右にはお寺には珍しいシャチホコが飾られていますが、かつてこの辺りに「喜連城」があった証を、先人が残そうとしたのではないかと考えられます。

如願寺
如願寺
如願寺
如願寺如願寺には大阪府の
指定有形文化財があるそうですが。
本尊の「聖観世音菩薩」、「木造地蔵菩薩」、「弥勒菩薩」の三体の菩薩さま、真言宗の修法を記した「密教疑義」という書物が大阪府の有形文化財に指定されています。 ふだんは公開していませんが、毎年8月9日・10日の2日間「千日会」という、本尊の特別開帳日にのみ拝観できます。 本尊さまをはじめ全二十体の仏さまや寺宝などを間近で拝めることから、国内外から大勢の方がいらっしゃいます。 また、如願寺には、安らかな終末を願う人々を守る「大随求(だいぐすく)菩薩尊」も祀られており「大阪ぽっくり寺」としても、親しまれています。
如願寺
如願寺
如願寺お寺での行事を通じて地域と人をつなぐ
如願寺ではどのような行事が
おこなわれていますか?
一年を通してさまざまな仏教行事が行われていますが、4月の「花まつり」と8月末の「地蔵盆」は、お寺になじみのない方でも参加しやすい行事です。 花まつりのときには、花で飾られた花御堂に甘茶をかけてお釈迦様のご生誕をお祝いします。 近くの幼稚園の園児さんがお参りに来られて、珍しい甘茶を召し上がります。 地蔵盆は子どもの無病息災を願って町内のお地蔵様にお参りする近畿地方の伝統行事で、如願寺では子どもたちにはお供えのお下がりのお菓子をお渡しします。 どちらも子どもたちが楽しむ、季節の行事でもあるので、ご家族でお越しになりやすいと思います。
如願寺地域行事の会場にも
お寺を提供されているのですか?
7月の末に行われる喜連の夏の行事「喜連灯火の夕べ」では、第一回目からイベント会場として場所を提供しています。
昨年は境内でオーケストラの生演奏や地元バレエスクールによるバレエ発表を行い、臨場感あふれる舞台に大勢の方が魅了されました。
11月には「手作り市」を開催。雑貨やアクセサリー、焼き菓子など約40組の手作り作家さんが出店して、お寺はマーケットに様変わりします。
お寺での地域行事は街の方に「こんな場所だったんだ」と、お寺について知ってもらう良い機会になります。
少し敷居が高く感じている方にも、身近な場所に感じてもらえれば幸いです。
喜連灯火の夕べ
手作り市自分をみつめ、
相手を思う心をはぐくむ文化体験
如願寺ではどんな文化体験ができますか?
読経や瞑想をはじめ、写経・写仏を含む書道や茶道、陶芸などを体験できます。
2021年からは新たな宿坊での「テラハク」も始めました。
特に如願寺の書院をお茶室にした茶道や書道は外国の方から人気です。
また、日本文化を学ぶ授業の一環で、近隣の日本語学校の留学生が毎年お寺体験に来られています。
体験された方からは「仏教や日本文化に触れることで、自分自身を見つめることができた」という声をいただいています。
自身を顧みることや相手を敬う精神は、仏教の教えや日本文化に共通する大切な要素。
文化体験を通じて、今後も多くの人々に伝えていきたいですね。
茶道体験これから喜連エリアに住むことを考えている
方にお伝えしたいことはありますか?
昔は綿花の一大産地だった喜連も、地下鉄ができて駅前の利便性が高まり、街が大きく変わってきたと実感しています。 喜連は歴史が深い地域なので、新たに住まれる方にも歴史や文化について興味を持っていただければうれしいですし、知ることで愛着を持てるのではないかと思います。 私どもは地域の皆さんと協力しながら、お寺を舞台とした行事や文化体験など、気軽にお寺に来ていただく機会をつくることで、喜連を盛り上げて街の魅力を知ってもらいたいと考えています。 そして、皆さんの心のよりどころになれたら幸いです。 ぜひ、いつでもお寺にお越しくださいね。






